頑張れ、ミュージアム。学芸員を応援する情報サイト。
早稲田システム開発 株式会社
代表取締役 内田剛史
博物館業界は今、極めて厳しい経営環境を強いられています。母体である自治体・企業がコストカットを余儀なくされる中、 酷いケースではもはや運営不能寸前まで追い込まれている館さえ出ているほどの現状は目を覆うものがあります。 「文化資産の守護と継承」という役割を持つ博物館は、同時に地域文化を維持・継承するための社会的装置としての役割を担いますが、 その博物館がこれほどの苦境に立つということは、私たちの文化的生活の基盤が揺らいでいることを意味しているのではないでしょうか。
とりわけ中規模以下の館への影響は甚大なものがあります。いわゆる「箱物」への市民の厳しい目に晒され、 公共機関としてのサービスアップが要求される反面、わずか1~2名の学芸員が雑務を含めて現場を支えている館は想像以上に増えています。 欠員が生じても補充されないような現状、館全体としての収蔵作品の管理能力は低下する一方で、若い学芸員が孤軍奮闘を強いられるケースも少なくありません。 こうした場合、管理ノウハウの継承にも支障を来し、結果として館運営の弱体化と孤立化を進めることになりがちです。
ただでさえ「横のつながり」が薄いと言われる博物館業界には、情報交換の機会は多くありません。 また、分野ごとに個人の学芸スキルに依存する形となっている館も少なくなく、情報・知識の共有化は急務と言えるでしょう。 そこで、皆様が学芸活動の成果や日々の館運営で得た情報などを自由に交換できる場づくりを目指し、新しい形のWebサービスを開設する運びとなりました。
「学芸員オンライン」と題した本サービスは、博物館の関係ご各位が各々にお持ちの実務情報や学術情報、 関連知識などを共有いただくための知識データベースサービスです。日々の業務の中で培われたナレッジやノウハウなどをご投稿いただき、 館運営や学芸活動、各種調査研究などにお役立ていただくために、完全無料のWebサービスとなっております。 現在、ご覧いただいております画面は動作テストなどのための試行版で、本格的な稼働開始は平成22年の秋ごろを予定しております。
「学芸員オンライン」は、すでに多くの皆様に賛同の意をご表明いただき、ご寄稿のご確約などをいただいております。 業界内だけでなく、一般企業を含めた周辺業界の皆様からも、各々の分野からの支援情報提供のお申し出をいただき、 一定の手応えを感じております。つきましては、皆様にもぜひご協力をいただき、業界全体で目指す「博物館力」の向上にお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
現在、弊社では仮に「MAPPS」と銘打ったプロジェクトを推進しております。これは、博物館業界の情報管理・情報活用をより広く支援するための各種サービスを包括するもので、「学芸員オンライン」はその第1弾と位置づけております。今後、さまざまな形で皆様に貢献できるご提案を行う所存でございますので、どうぞご期待くださいませ。
※本Webサービスは、テスト用に開設した試行版であり、利用上不具合が発生する場合がございますので、予めご了承ください。
なお、仕様やコンテンツは随時アップデートして参ります。